中国宋時代と日本平安時代の名品を見るチャンス!
一生に一回は手にしたい作品
中国の宋時代の作品や日本の平安時代の作品のような希少な作品は古美術店で見かけることはほとんどないと思います。
古美術商にとっても一生に一回は手にしたいと思うような物です。
しかし、どこにそれらを手にいれるチャンスが巡ってくるのかわかりませんから、普段から勉強は欠かせません。
だからと言ってどこの美術館でも見られるかというと、そういうわけには行きません。
ただいま名古屋の徳川美術館でそのような希少な作品を見ることができる展覧会が開かれています。
ぜひこのチャンスをお見逃しなく!
徳川美術館特別展:『茶の湯の名品』『豊かなる朝鮮王朝の文化』
展覧会レポート@徳川美術館
特別展:『茶の湯の名品』『豊かなる朝鮮王朝の文化』
『茶の湯の名品』
徳川家伝来の中国高僧墨跡、書状~利休/織部から秀吉まで、平安・鎌倉の古筆切などなど正しく名品揃いの展覧会です。
特に私の目を引いたのは伝牧谿筆 洞庭秋月図などの南宋絵画です。
南宋絵画独特の墨の濃淡による表現をぜひご覧いただきたいです。
何より驚いたのはその状態の良さです。
作品が修復されたのは間違い無いと思います。
それにしてもどの作品も素晴らしい状態でした。
作品と表具の取り合わせも見どころの一つだと私は感じました。
『豊かなる朝鮮王朝の文化』
この展覧会は日韓国交正常化50周年記念、徳川美術館開館80周年記念、そして徳川家康没後400年の節目として企画された展覧会です。
尾張徳川家の旧蔵書を中心に和漢の優れた古典籍を所蔵する公開文庫(蓬左文庫)の所蔵品の中には徳川家康が集めた約1500冊にも及ぶ朝鮮王朝時代の刊本や写本があります。
今回の陳列作品は朝鮮時代の古典籍が中心です。
しかし、高麗仏画や高麗経といった美術作品も並んでいますので見逃せません。
しかもそれらは徳川家に伝わる作品です。
さすがは徳川家というざるを得ません。
ぜひ足を運んでみてください。
会期は両方の展覧会とも11月8日までです。
追記:常設展も見逃せません。
「大名の室礼」「大名の数奇」「大名の雅び」と部屋ごとに違うテーマで作品が並んでいます。
どの部屋も大名の部屋を再現してあります。
そしてその中で当時の飾り方を再現されています。
普通の展覧会は無機質な空間に作品が並んでいます。
それに比べると作品がどこか生き生きしているようにも感じました。
(その分陳列作品数は少ないです。)